『明日』を産んだのはきっと







新しく歌を知りました

声を殺して泣きました

真夜中に一人

あなたの声で明かす部屋は

いつもより少しだけ暖かくなりました



お願いという命令と

連絡という拘束と

じわじわと足元から埋められる

部屋に入って一人になって

切れたスイッチに瞳が曇る



イヤホンを付けて

電源を入れて

これからあなた色の世界に行きます



綺麗な声が優しくなでる

零れる涙が心を溶かす

世界中から隔離した

あなただけの世界

フレーズが連れ去る痛み

閉じた瞳が開く時

あなた色の光を宿す

私だけの世界



空が青いと知りました

背中を押してくれました

外へ出る一歩前

耳に残るあなたの歌声

いつもより少しだけ足が進みました



気を付けていても難しい

良い所を探す事

でも胸を張って過ごしたいから

優しいあなたに負けないように

頭も心も柔軟に



深く刺さって

ゆっくり溶けて

血液と共に体中を巡っていきます



元気な声が力をくれる

零れる笑顔が心を開く

世界中から切り取られた

あなただけの言葉

刺さる瞬間の小さな痛み

そこから広がるゆるい熱

あなた色に包まれる

私からの言葉







隣にいるように囁いて

その声で私を連れ出して

未来なんてこんなに近いって

細くつながった空に響かせて






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