星球に願いを







追い抜いていった人の数
振り向いていった人の数
何となく沢山いたんだと
俯いた影に落としてしゃがむ

ため息が温めた両手を伸ばして
今更やっと気がついた

どうしたって
ゆきたい空には
この小さな可能性では届かない

立ち位置 環境 状況 リスク
全部切りだして踏み台にすれば
俯いた影くらい越えられるかな
掴めない雲に向かう掌
掴み返してくれるのはきっと
同じ体温で触れられる奇跡



掴めなかった此処へ向かう手
伸ばせなかった凝固した手
一人きりの部屋で呟く
『・・・かえりたい・・・かえりたい・・・』

あちこちに瞬く誰かの軌跡
綺麗な景色を見てるだけ

マニュアルだって
何の意味もない
強がりを呑み込んで息が出来ない

友達 先輩 家族 シラナイ
周りを埋める脚本の流れを
照明一つで時間から変えたい
作り出した夜に月を吊るして
震える目蓋を下してやっと
此処にもフィクションが訪れる



虐めるくらいなら頂戴よ
殺すくらいなら渡してよ
簡単に『いらない』というその口を
なんならこの手で取り除いてあげるよ
だって、
ほしくてほしくてほしくて、

ホシクテ、



罰ゲームでも口にしなかった言葉
誰もいなきゃ届きはしない
聞こえないよう耳をふさいで


あぁダメ
 この声が一番よく聞こえてた







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