春夏秋冬、君結ぶ世界







耳へ伝う涙を拭う

それだけなのにこんなに震える

落ちていくのが涙だけなら

笑い飛ばしてくれるのに





花がきれいに咲いている

どこまでも続く青空が眩しい



ここから見える景色は

これで今日が最期なんだね





僕より低いそこからは

空がいっぱい見えるでしょう

純白に広がる君の姿は

どんなドレスを着た御姫様より

綺麗で素敵で世界一

ずっとずっと変わらない

ずっとずっと永久を誓う







息を一つずつ数えて握る

消えそうな音を繋げて刻む

大好きな春の香りも閉め切って

君だけの世界を切り離して





時計ははずして外へ捨てた

扉には中から鍵をかけた



僕のこの耳は今

最期の願いしか聞こえない





君が見上げてた僕の事

今度は僕が見上げる番だ

置いて行ったりなんてしないよ

誰にも聞かれない内緒話を

音よりも早く伝わるように

ずっとずっと抱きしめてる

すっとずっと隣にいよう







何時だか君が

いたずらで結んだ小指の糸は

今度は僕が結んであげる

赤くて太くて神にも切れない



このまま結んでいたいけど

あの時みたいに絡まるだろうから

僕がしばらく預かるよ

ずっとずっと守るから

ずっとずっと大好きだから





その時が来たら

二人の小指にまた糸を結んで








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