薄明の絆
日が昇って月に変わってまた日が影る
それだけでもう
今は今日じゃなくなって
見上げる影が溶けてそっと離れてく
それでも広がる一面の赤が
ここじゃないと手を引っ張って
包まれるぬくもりを目指して走り出す
公園から聞こえる子どもの声
学校の校庭に響くチャイムの音
目の端を流れてくもう出会えない瞬間
締め付ける何かを断ち切る刃は
きっとあそこにある筈なんだ
見慣れた扉を開いて一言
反響するいつもの合言葉
いても良いと安心できるお城は明るい
迎えた笑顔に千切れた鎖
溶けだした影はすっと此処に返ってきた