陽のあたる場所







溢れる 溢れる 止まらない

埋もれる 埋もれる 遠くなる



これにもあれにも付き纏う

薄くても濃くても影は影

右も左も揺らめいて

日がな一日眺めて過ぎる



歩いた両側に積まれる欠片

記録から伸びる影には記憶

ぽろぽろと落とし続けて幾年月

線が引かれて世界が生まれ



息を吸うたび

歩むたび

ずるずる引きずる重荷は増えるし

ガラガラ崩れて主張してくる



息は切れてて

棒のようになる足を

叱咤しても切り落とさないのは

きっと落とした欠片の一つが

分身達だと知っているんだ




落とすものがなくなって

耳や声や内臓までもが影を得た時

道草ばかりの歪な軌跡(みち)が

初めて居場所を教えてくれる





読み終わった本

飲みかけのジュース

書きかけの日記




あぁもうすぐ影が生まれる…







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