『行ってきますっ!』
折り紙で作った鶴が飛んだ
クレヨンで描いた晴天の中
そっと息を吹きかけて
眼下を流れる世界を想う
きっと誰かがお菓子を食べて
きっと誰かが紫煙を吐いて
きっと誰かが空を眺めて
始まりを知らないこの世界では
終わりを想像する事もなく
昨日よりも少し雲が多い空は
明日もそこにあるんだと
約束もないまま此処で待つ黄昏
さあ 引き寄せたノートには
格子の奥の花屋敷
囚われたのか囲ったのか
太陽を沈めて照らされた
淡い影は何処まで伸びる・・・?
真っ白い部屋に色を迎える窓を開け
朝と夜だけ取り込んでは乞う