風が伴うページの向こう
ほんの少しかすっただけの
すれ違ったくらいの関係なのに
ふわりと流れたかすかな香りが
今の僕を連れてきた
きっと長いだろう筈の
白紙が埋めてた未来日記を
ほろりと淡い消えそうな色で
ほんの少し描いてみた
時間を操れたらいいなとか
もう少しお金持ちになりたいなとか
それくらい空想するだけの
小さな小さな儚い世界
一歩下がって把握する全容
風景画が好きだったのに
アクセントになった小さな影に
いつしか視線は奪われて
言葉を知らない頭で出来た
今を残せる精一杯を
少しでも上手く描ける日を祈って…