刻むイニシャル
小指を絡めて約束しよう
夢に溶けてしまう前に
君のその手に触れさせてあげるから
『そろそろ帰るね』部屋を出るのに15分
『駅まで送るよ』自転車を引いて15分
見送り続けて最終電車
『メールするから…』右手が震えるまであと5分
ゲートをくぐれば
僕だけの君じゃなくなって
紳士を装う未熟な影は
後ろ姿に伸ばす指を
痛いくらい握りしめては
街灯の一つ先を渡っていく
”ね、ねぇ、あのさ、、、”
そろそろ電車も飽きたでしょ…?
お揃いモノのも増えてきたしさ…?
『ただいま』が言えるようになったんだから…!
薬指を重ねて約束しよう
未来が色あせてしまう前に
君のその手を繋ぎ止めてあげるから