ネジ式日記
今日 1日を 生きた はず
起きて 寝るまで 生きた はず
なのに 一つも 思い 出せない
昨日の記憶か
今日の記憶か
明日の記憶か
今日の夢か
上滑る会話と
張り付けた笑顔
あと足りないのは
かける一声
同じ服を着て
同じ時間に出かけ
同じ空間の鍵を開ける
はみ出す事のない毎日
時計と共にネジが回る
歯車があって初めて動く身体なのだから
とどまるものが無くて当然
全てはすり抜け背後に影る
騙して 隠して
風化するカラクリに取り付く錆を
明日も動けるようになんて
削り取って景色を刻む
いつか振り向こうと思った時
初めて形を掴めるのだろう