おかえりなさいが言えるまで







『待って待って・・・っ』

必死に動かす手足は短い
あなたの一歩に届くまで
僕はどれだけ走れば良いの


もうすぐあの瞬間が来る
扉を開けて光の中へ溶けてく姿
見上げて追いかけた僕の頭を
ふわりと撫でては香りを残す


触れられた耳を揺らして
出来る事は一つだけ
もう一度
触れて欲しいと願いを込めて
一つ喉を揺らすだけ


影が重なる世界をくれた
隣で包まれる夜をくれた
少し眠ればその分早く逢えるかな・・・?

丸めた身体に鼻先を埋めて
ほのかに纏うは大好きな香り

だってあなたは唯一の
明日をくれた神様だもの


だから今は

小さく伸びと

あくびを一つ






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