特別な日には







春を閉じ込めた腕の中
生まれて初めて貰った花束
この香りこの彩りこの優しさは
一生忘れる事はないでしょう


同じ年なのに敬語で話して
名前もはっきり呼べなくて
それでも知ってた特別な日に
最初に送ったのは小さなクッキー

もっと素敵なものを用意して
早く一年が過ぎるのを願って
素直になれない言い訳と一緒に
渡したかった気持ちが

浮いた


最期の姿が思い出せない

最期の言葉が思い出せない

明日がなくなった二人の間に
咲き乱れるのは桜の涙


夢を閉じ込めた腕の中
最初で最後のプレゼント
またこの香りが溢れる頃には

小さなクッキーを焼きましょう



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