光るガラスの向こう側
たまり続ける吐きだめの中
俄かに投下されてきた
何万と押し寄せる波の中
おびただしい数にも侵される事はなく
ひっそりと光る これから知る影
折と時間をひきつれて
偶然でも此処に流れついた
透明な瓶に詰められていたのは
渇いた紙と蘇えりの祝詞
聞き飽きた歌をくり返すのも
何処かの誰かの小さな悲鳴
手探りでやみ雲に差し伸べるのも
何処かの誰かの小さな呟き
見えない糸を張り巡らせて
小指と小指を優しく結んで